「怠け病だ」と言われた慢性疲労の症状が改善

症例 NO.065 44歳 男性

数年前に立て続けに2度の交通事故にみまわれてからちょっとした事でも体調を崩しがちになり以前よりあった頭痛・不眠傾向も強くなり倦怠感もひどく疲れも抜けにくくなった。

私は看護師をしているのだがいくら時間の不規則な仕事をしているとは言え、この状況はあまりにもおかしいと思い医師に受診、相談したところ「慢性疲労症候群」と診断された。その聞き慣れない病名に説明を求めると、最近多く見られはじめた症例で詳しい事はまだわかっておらず、治療についても現在は対処療法的な事しかないとの事であった。その時の私の状態は、安静加療が必要との診断で即入院となったのだが、医師の診断・指示があり状態を説明したにもかかわらず、同僚看護師・上司の理解は得られず「怠け病」のレッテルを貼られた中での入院となった。その後他の事情も重なり人間関係が崩れてしまい、数ヵ月後その病院を退職した。その後現在の病院に勤め始めたのだが、相変わらず頭痛・不眠はあるものの適度の休養と薬の内服によりあまりひどい症状には悩まされる事もなく数年が経過した。

ある年の夏頃より頭痛・不眠症状がひどくなり薬の内服量も増え始めた。併せて集中力の低下・ひどい倦怠感を覚え始めた。その後も徐々に症状はひどくなり集中力は半日持てば良く、無気力状態・疲労に関しては不眠もあるため殆ど取れない状態となり、東京脳神経センター受診の半月位前には仕事が出来ない状態となり休みを取っていた。ただ前回と異なり今回は、幸いな事に上司の理解が得られた事により同僚の理解も得られ、安心して治療に専念出来る環境が得られた事は幸せであったと思う。

受診の結果「頚性神経筋症候群」と診断、治療が開始されひどかった頭痛・不眠症状・うつ症状・疲労感が徐々に改善され始め、薬の内服をしなくても平気な状態になった。その後、今度は肩、首の筋肉の張り・凝りという別の症状が出始め不安を感じたが、松井先生の説明、他の入院患者よりの情報により治療の過程で出現する症状と知り根気強く治療を続ける事によりその症状も改善され退院の日を迎える事が出来た。

今回この体験談を書くに当たり、特に言いたい事は患者の周囲の病気に対する理解の有無が治療に影響を与えるのではないかと言う事である。

病気の治療については、松井先生に全面的にお任せする事は当たり前にしても、周囲の理解が得られず治療に専念出来なければやはり、治療の効果はなかなか上がらないと思う。現に前記の病院にて入院していた時は周囲の理解が得られなかった事もあり、精神的に無言の圧力を加えられたような状態となり、あせりも加わり症状が改善していない状態にて退院、職場復帰する事になってしまったのである。そのような事をなくすためにも我々患者もこの病気を周囲の人に理解してもらうために何か出来る事があるのではないかと思う。

最後に松井先生をはじめスタッフの皆様に感謝しお礼を申し上げます。

症状経過