ワンダリングの果ての「うつ病」診断、薬漬けから無事改善

症例 NO.077 38歳 女性

真珠卸商社にて、長年不自然な姿勢で真珠の選別をしたり、加工、デザイン、仕入れ、海外輸出、大きな催事の責任者など忙しいながらも、やりがいを持って働いてきましたが、同僚が2人も辞め、中間管理職のポジションになり、更に仕事量とストレスが増え、まず寝られなくなり、朝会社に行くことが出来なくなった。「休みます」と言って電話を切ると、気持ちが落ち着き、やっとぐっすり眠れる。自分は怠け病になったのかと思い、自信を無くし、退職。

翻訳の勉強をする為に学校に入り徹夜で課題をこなす。元来、コリ性なのですべての課題を完ぺきに仕上げたく、クラスの誰にも負けたくなかった。無理な姿勢で細かい字を神経を使って追い、パソコンを長時間使用。卒業までの半年、張りつめっぱなしだった。

大手電気機器会社の本社輸出部門に入社。自分が自分でない程覚えが悪く、新しいことが頭に入ってこない。100%のうち、30%程しか実力が出せず、疲労ばかり溜まる。顎がひどく痛んだり、毎日のように頭痛。夏風邪を引き、熱と咳が長引き、内科を3件まわる。マイコプラズマ、結核の検査をし、原因がわからず心療内科に紹介状を持たされる。

簡単な問診とカウンセリング(カウンセリングは最初の1回のみ)で「うつ病」と診断される。自分は精神病なのか…とものすごいショックを受ける。そこからうつ状態に…。抗うつ薬、抗不安薬、眠剤等、処方を変えても良くならない。リタリンまで勧められた。

この頃から落ち込みがひどくなり、TVも見られず、1人暗い部屋でふとんをかぶって良く泣いていた。死ぬか、消えてなくなる方がマシでは…とばかり考える。カウンセリングもなく、ただ薬を処方しつづけるだけの医師に家族の不信がつのり、1年後に転院。

2件目の心療内科は医師の人当たりも良く、話を聞いてくれ、カウンセラーも置いていた。しかし薬に対する知識が非常に浅く、気分を明るくし、頭の働きが活発になる薬を就寝前に眠剤と一緒に服用させられ、夜中体は寝ていても毎晩悪夢を見たりして熟睡できていない。朝気付くと食パン1斤とスナック菓子が3袋も食べちらかしてあったり、尋常ではない言葉づかいの寝言でさわいだり、ひどい歯ぎしり等で寝ても休めず、疲れが溜まるばかりだった。

こんな状態なので日中もほとんど寝たきりの状態に。抗精神薬で頭が働かない上、まともな睡眠がとれていないので、「薬のせいでおかしくなっている」という事さえ判断出来なかった。体力はどんどん落ちた。3年程経って、近所にメンタルクリニックが出来たので転院。処方を見直してもらうと、「これでは眠れるはずがない!!」と。

その頃、TVで母が松井先生のことを知り、私の症状がほとんどあてはまっているので一度見てもらってはどうか?と。初診まで6ヶ月待つ間、少しずつ減薬し、玄米菜食で体力をつけていった。

初診時に、ストレートネックで頚性神経筋症候群ですね、と。

大宮のすっきりセンターで初めて電気治療とハリを受けたあと、ものすごい頭痛とおう吐、滝のような汗とさむ気。6時間も大宮駅の駅員室のソファで七転八倒。好転反応のあとは、なぜかすっきりとし、光が見えはじめる。

大宮に10ヶ月通ううちに、不定愁訴の7割が消えていき、洋服を買って帰るまでに回復。入院の順番がまわってきた頃には完全に断薬に成功。

入院し、まず体温35℃台が1ヵ月程37℃台に。その後36℃台に安定。首の後ろのコリがなくなってくると、痛みが前の方に移り、最後は横に痛みが移動。入院から2ヶ月程で沢山あった不定愁訴が全部きれいになくなった。

今思えば薬を飲む前に松井先生を存じ上げていれば…という気持ちで一杯です。あまりにも安易に薬を処方する精神科の医師に怒りを覚えます。彼等に、同じ薬を同じ処方で自分自身か家族に服用させられるのか聞いてみたいです。

松井先生は薬もメスも使わず副作用も出さずにこれだけの不定愁訴を消しさって下さいました。その着眼点と医師としての志の高さに敬服すると共に、感謝の念が絶えません。本当にありがとうございました。

5年の間にあった症状

・めまい(初期、ごくたまに)
・咳(初期、元来ぜんそく持ちではない)
・微熱、低体温35℃台、真夏でも長ソデ、長ズボン、マフラー、クーラーや扇風機は完全NG
・体温調節不能、5分おきに発汗とふるえ、1日に何度も着替え
・集中力の低下、記憶障害、元々本を読むのが好きなのに頭に入ってこない
・ドライアイ、まぶしくて明るい所にいられない、目が疲れて頭痛、吐き気
・大きな声、TVの音がうるさく、家族と一緒の部屋で過ごせない
・味覚障害 甘くて口当たりの良いもの以外砂をかむような味に
・嗅覚障害 臭いに敏感になった、洗濯物の匂いもNG
・感情障害 不安、落ちこみ、自殺願望→はげしいイライラに変化
・全身倦怠 階段を昇るのに3段に5分位、風呂に入れない
・頭痛 薬を服用しても吐いてしまう。起き上がれない程の痛み。
・吐き気 頭痛に伴う。月に1回は一晩中吐いていた。
・顎関節症 痛みと違和感、歯が浮いてイライラ、ほお骨までの痛み
・下痢、便秘
・動悸(寝ていても)

かかった診療科目

内科×3件、外科、脳神経外科、整形外科、耳鼻科、婦人科×2件
循環器科、眼科、歯科×5件、口腔外科、胃腸科、心療内科×3件

自分が気を付けて、役に立ったこと

・夏の院内は冷房がききすぎの場所もあり、タオルマフラー等で絶対に首を冷やさない様にした。
・時間のあいた時、ヨガ、ストレッチ、ホットパック(カイロで)をした。
・電気やハリの待ち時間、姿勢に気をつけた。
・電気かハリの後は必ず30分~1時間首をやすめる。
・首の力を完全に抜いた姿勢で電気を受ける。途中から口をあけ気味にして、顎関節症の症状が消えました。

院外で行ったもの、役に立ったこと

・玄米菜食(食の見直し)
・ヨガ、呼吸法(DVDを見ながら)
・アレクサンダー・テクニーク(姿勢の見直し)
・枕の調整、寝具の見直し

症状経過