回転性めまい、全身倦怠、頚肩こりが治療で改善

症例 NO.052 57歳 女性

回転性めまい、全身倦怠、頭痛、頚凝り、肩凝り、など不定愁訴の塊りのような中年女性が頚性神経筋症候群の治療で改善した。
症状経過

4年前から、体が疲れやすくなり仕事を続けられなくなった。動悸がして、息が苦しくなるのはこれ以前から続いていた。3年前に回転性めまいで近くの耳鼻科で2回治療を受けた。その頃より、頭痛がひどく、大学病院のめまい外来と頭痛外来を受診して治療を受けた。その後、眠れないなど不定愁訴が沢山出て、産婦人科で更年期障害の治療を受けたがよくならなかった。10年以上前から頚凝りが始まり、頚が痛かった。整形外科を受診したら頚のカラーをするよう指示された。週刊誌で当院のことを知り、来院。

家族みんなが外へ遊びに行くときも、外に出られず自分ひとり留守番をして家で横になっていなければならなかった。ふらつきがあり、倒れはしないかと心配で、火が恐くなっていた。胃腸の症状も強く、胃が重く、腸がグルグル音がして他の人に聞こえるほどで、どうかしたのかと聞かれることがあった。人が喋っているのを聞いていても甲高い声に耐えられなくなった。体中がだるく、何も出来なく、どこの病院へ行ってもどこが悪いのか分からず、このまま一生この症状が続くのであればいっそ死んだ方が楽だと思い、2回、自分で首を絞めたのだが、死ねなかった。このように困り果てていた時、週刊誌で当院のことを知り来院した。

日付 頸椎部のチェック 症状 合計
初診時 頚のMRIでC4/5のヘルニアが発見され、頚性神経筋症候群の治療が長引くことが予想された。症状は手足の冷えや、何もする気がしない、気が滅入る、根気がなく仕事が続けられない、などの症状の他、全身倦怠やすぐ横になりたくなるとか、胃腸の症状、目の奥の痛みや目が疲れるなど目の症状、汗が異常に出る、暖かいところにいられない、寝つきが悪い、吐き気がある、頚凝り、肩凝り、眩暈ふらつき、頭痛など18症状があった。診察で頚筋の異常はチェックポイント9つのうち全部の異常があった。
その後、外来にて加療を続けたが、頚椎椎間板の後方への突出のせいか、治療効果ははかばかしくなかった。
入院時 症状18で初診時と変わらなかった。(18/30)

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。
5   ふらっとする。
6   歩いていたり、立っている時なんとなく不安定。
8   夜寝つきが悪い。目覚めることが多い。
9   血圧が不安定である。
13 目が見えにくい。像がぼやける。
14 目が疲れやすい、または痛い。
15 まぶしい、又は目を開けていられない。
20 すぐ横になりたくなる。
21 疲れやすい。
22 何もする気が起きない。意欲がない。
24 気分が落ち込む。気が滅入りそうだ。
25 集中力が低下して、1つのことに集中できない。
26 わけもなく不安だ。
28 根気がなく、仕事や勉強を続けられない。
29 頭がのぼせる。手足が冷たい。しびれる。

18
1


症状は改善著しく、9ポイントに減った。(9/30)うつ症状は消失し、頭痛、頚凝り、肩凝り、眩暈ふらつき、目が疲れやすい、目の奥の痛み、すぐ横になりたい、全身倦怠だけであった。

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。
5   ふらっとする。
6   歩いていたり、立っている時なんとなく不安定。
14 目が疲れやすい、または痛い。
15 まぶしい、又は目を開けていられない。
20 すぐ横になりたくなる。
21 疲れやすい。

9
2


頚筋の他覚的異常は9ポイント全部の異常であった。(9/9)
症状はさらに減少し、6となった。(6/30)

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。
5   ふらっとする。
14 目が疲れやすい、または痛い。
20 すぐ横になりたくなる。

6
3


頚筋の異常は6ポイントとなった。(6/9)
微熱が出てきた、頭痛は軽くなった、症状は変わらず6のままであった。(6/30)

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。
5   メマイ、又はふらつきがある。
15 まぶしい、又は目を開けていられない。
18 微熱がでる。

6
4


頚筋の状態は少し悪くなり、程度は軽いが9ポイント全部の異常に逆戻りした。(9/9)症状も2つ増え、8となった。(8/30)微熱、発汗、不眠などが増えた。

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。
5   ふらっとする。
8   夜寝つきが悪い。目覚めることが多い。
11 汗がでやすい。
14 目が疲れやすい、または痛い。
18 微熱がでる。

8
5


頚筋の異常は4ポイントとなった。(4/9)
症状は5症状となったが、頭痛がとれない。(5/30)

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。
5   ふらっとする。
18 微熱がでる。

5
6


症状は4となった。(4/30)頚筋の状態は変わらず。

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。
5   ふらっとする。

4
7


頚筋の状態は同じ。症状は頚凝り、肩凝り、頭痛のみとなった。(3/30)

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。

3
8


頚筋の状態は同じ、4ポイントの異常。(4/9)症状は頭痛は良くなっているが消失には至らず、症状3のままである。(3/30)

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。

3
9


頚筋の状態変わらず。症状も同じ。

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。

3
11


頚筋、症状共に変わらず。

1   頭が痛い、頭が重い。
2   頚が痛い、頚が張る。
3   肩がこる。

3
12


頚筋はまったく異常所見がなくなった。
症状は軽度ではあるが、頭痛が残っている。(1/30)
頚椎椎間板ヘルニアが後方へ突出しているため治療が長引いた。

1   頭が痛い、頭が重い。

1