高校2年生の頃から、朝の立ちくらみ、頭痛、不眠の症状が出てきて、複数の小児科を受診した後、松井病院に入院し頸の電気治療で短期間に症状が劇的に改善

症例 NO.084 16歳 男性

母親と本人の体験記

我が子がはじめて起立性調節障害と診断されたのは高校1年生の9月。
高校生活が始まってからは、新型コロナウイルス感染症で7月に1週間欠席したのみで、それ以外は元気に登校していました。
朝の立ちくらみと頭痛でOD (起立性調節障害) だなんて。
成長期にみられる症状で、何度かTVやネットで見聞きしたことはありましたが、まさか・・・
何だか突然の事で信じられませんでした。
あまり気にしないようにしようと、この時は深く考えずに色々と調べたりもせずに、かかりつけの小児科の先生の治療方針に従っていました。
吐き気や頭痛などで2学期は5回の欠席がありました。
1月から胃痛、立ちくらみ、体に力が入らないという日があり小児科で漢方薬 (半夏厚朴湯)を処方されました。
2月、3月もOD症状が改善されずにメトリジンD錠が追加されました。
3学期は12回の欠席でしたが、なんとか進級できました。

3月の下旬から、のどの痛み、夜の寝つきが悪くなる症状も増えて、少しうつ状態になっていました。
春休みには、朝はお昼頃にならないと起きられなくなっていました。
処方薬がリズミック錠と小建中湯に変りました。

高校2年生の4月、始業式は何とか出席できましたが5回の欠席と2回の遅刻。
5月は6回の欠席と12回の遅刻。
6月は5回の欠席と12回の遅刻。
7月は3回の欠席と11回の遅刻。

5月中旬、小児科の先生が大きな医療センターの児童精神科に診療予約を取ってくれたのですが、予約日は9月中旬とだいぶ先でした。
この日まで待つなんて、どうなるのだろう。
先の見えない状況に、不安で押しつぶされそうでした。

6月には小児科で処方された薬は飲んでいても何も変わらなかったので、飲むのをやめて開業医の精神科を受診しました。
睡眠障害と診断されてラメルテオン錠を処方されました。

朝日を浴びて、朝は起きようという気持ちをしっかり持ってくださいと言われました。
ラメルテオンで夜は眠れるようになりましたが、睡眠時間は午前0時頃に寝て、朝は11時~12時に起きるという感じでした。
7時~8時頃に目を覚ますことはできるのですが、立ちくらみと、体に力が入らないので起き上がる事ができず、お昼頃までベッドにいる日々でした。
体重が4月から2キロほど減少していました。
朝は起きられないから、1日の食事回数は昼と夜の2回で、喉の痛みや胃の不快感で食欲もありませんでした。

小児科の薬を飲んでいてもよくならず、 症状はどんどん酷くなるばかりで親として何とか以前の生活が送れるようにと、5月に入ってからは色んな情報を集めていました。
6月中旬、やっと松井病院のことをネットで知ることができました。
県内にOD専門の病院があるなんて聞いたことがありませんでしたし、どうして今まで検索しても出てこなかったのか。もう受診するしかない。

7月に入ってすぐ、電話で診察の予約を取ることができました。
初めての診察時に、どの程度の症状かを把握するために問診表でのチェックがありました。
該当したチェック項目が12個程度あり、原先生が「症状の程度は中等症のようですね。 でも、治りますよ。」と言ってくださいました。 その言葉を信じて、当面は、週に2回の頻度で電気治療を始めることにしました。
しかし、1学期の間、出席日数不足の教科や定期テストを受けていなかったこともあり、単位取得のため、夏休みに入って追試の課題の提出や補講授業の出席を求められ、体に無理をしていました。学校への対応ができなくなってきて、2回目の診察時には問診表のチェック項目が増えてしまいました。
このような状況になると、とにかく今は治療に専念した方がいいと考えて、原先生に入院治療した方が少しでも良くなる見込みがあるのならば入院したいと相談しました。
こちらの事情を説明して、先生も「入院した方がいいでしょう。通院の3倍は回復が違いますよ。」と、7月29日に入院となりました。

入院して5日目、信じられない言葉が子供から聞けました。
『8時起き余裕』
今まで早くても11時頃まで起き上がれなかったのに!!
頭痛、吐き気、立ちくらみの症状もなくなり、夜の寝つきも入院前より良くなり、朝ごはんも食べられている。
『何か急に良くなった』
本当に良かった!!

こんなに早く良くなるとは思ってもいなかったので、嬉しい気持ちと驚き、そして何より、この治療方法を見つけてくださった松井病院の先生方に感謝の気持ちでいっぱいになりました。 本当にありがとうございます。

入院治療は、初めの2週間は点滴が毎日2時間程度ありました。
電気治療は午前と午後の1日2回 (日曜、祝日は1日1回) していました。首の筋肉の異常からくる自律神経失調の症状との判断で、1回20分程度、首の筋肉をほぐす低周波治療を繰り返しました。
OD症状に対する服薬はありませんでした。
入院してから問診表のチェック項目が1週間で5個、2週間で0個になりました。
原先生も「良くなりすぎですね。 夏休みだし、もうしばらく入院して様子を見ていきましょう。」と笑顔でおっしゃってくださいました。

体調が回復してからも約2週間は入院していて、その後の経過は順調です。
初めての経験で、退院してから体調が崩れたらと不安に思うところもありますので、しばらくは電気治療に通院しようと考えています。

去年の9月から悪戦苦闘の日々でしたが、松井病院、そして原先生にご縁ができたことは非常に幸運でした。子供の通っている高校の養護教諭の先生に、もしも同じ症状で悩んでいる生徒さんがいたら、ぜひ松井病院を受診するようにお勧めしてくださいとお話ししようと思います。
また、友人にもこの体験を話して、 電気治療でよくなるということを広めていきたいです。
(2024年8月記)

患者本人の体験記

OD(起立性調節障害)。頭痛、吐き気、倦怠感、胃痛、目眩、立ちくらみ…などなど、様々な症状に見舞われる成長期にみられる病気。私が初めてそう診断されたのは、去年の9月。
その頃はまだ頭痛や立ちくらみ程度でしたが、年が移り変わる頃には上記の症状全てを毎日発症するという状況になっていました。そうなってからというもの複数の病院を受診し、たくさんの種類のお薬を処方されましたが、一向に症状が改善する気配がありませんでした。そのお薬の中には、とても味がよろしくないものもありました。「良薬は口に苦し」と言いますが、治らなかったのですから私にとっては良薬ではないのに口に苦いとはこれ如何に。
それはさておき、転機が訪れたのは今年の6月。母がインターネットでOD専門の病院を見つけてくれました。その名も松井病院・・・そう、ここです。7月に診察の予約を取り、いざ診察。
原先生によると「首の電気治療をすれば治る」とのこと。首は全くの意識外で正直半信半疑でしたが、同じような症状の人はみんな治っていると言われてはもう信じる他ありません。という訳で、とりあえず週2回の頻度で治療を受けることにしました。
しかしちょうどその時期から学校が忙しくなり、体にこれまで以上に負担がかかるようになりました。夏休みになっても忙しいのは変わらず、週2回では治るまで時間がかかりすぎます。実は学校を休みがちになっていて出席数が怪しく、悠長にはしていられません。症状もそこそこ重いしいっそ夏休みの間は入院して治療に専念しよう、そうしよう。
そう思って先生に相談してみたところ、そうした方がいい、とのことなので入院することになりました。治療は1日2回(日、祝は1回)。今までとは比べ物にならない頻度です。
そこからは、一瞬でした。何と入院して1週間余りが経った頃には、あれだけ私を悩ませていた症状がきれいさっぱり消えていたのです。さすがに早すぎるようで先生も驚いていましたが、確かに私のODは治ったのです。
この治療に出会えてよかったと思っています。本当にありがとうございました。
(2024年8月記)

症状経過