半年前急に何もしたくなくなり、全身がだるく体が疲れやすくなった。その2ヵ月後、指がふるえ、心療内科を受診したらうつ病と言われた。その後うつ病を信じて通院して抗うつ剤をつづけてのんでいる。ある時、週刊誌に頚性神経筋症候群の記事をみて、まさに自分はこの病気だと確信して当院を受診。受診前は気分が沈んで、疲れやすく何もしたくない状態で横になって寝ていたかった。頚や肩も痛かった。考えてみると、頚や肩のこりは若い頃よりあった。このごろ、メマイ、ふらつき、不眠、体温の調節が出来にくい、汗が異常に出る、安静にしているのに心臓がドキドキして脈が速くなる、目が疲れやすい、天候が悪くなる前に症状が強くなる、精神症状も何事に対しても意欲がなくなり、気が滅入って、集中力がなくなり、根気もなく、一つのことをつづけられなくなり、わけもなくイライラして、焦燥感が出て、理由のない不安感があった。抗うつ剤を飲んでいても、このような精神症状が続いていた。入院してもはじめの3週間は症状の改善がみられなかったが精神症状だけは改善が見られた。入院前は電車にも乗れない、人混みに行けなかったのが不思議なくらいよくなった。入院1ヵ月半たったとき症状もほとんど消えてきて、入院前と比べると、うそのようだと喜んでいた。しかしこの時点で診療で他覚的異常がまだ残っていたので治療をつづけた。治療を長引かせている原因は頚椎の椎間板が後方に突出していることである。長くなるので家庭の事情もあり11週目に退院してあとは外来で加療を加えることにした。一般に症状と他覚的所見の改善はズレがあり他覚的所見のなくなる時が完治であるが治療期間全体の55%ぐらいで症状は消失する。
日付 | 頸椎部のチェック | 症状 | 合計 |
入 院 時 |
1 頭が痛い、頭が重い。 |
20 | |
6 日 後 |
1 頭が痛い、頭が重い。 |
12 | |
20 日 後 |
1 頭が痛い、頭が重い。 |
15 | |
27 日 後 |
1 頭が痛い、頭が重い。 |
7 | |
35 日 後 |
2 頚が痛い、頚が張る。 |
4 | |
40 日 後 |
2 頚が痛い、頚が張る。 |
4 | |
47 日 後 |
2 頚が痛い、頚が張る。 |
4 | |
54 日 後 |
2 頚が痛い、頚が張る。 |
4 | |
62 日 後 |
2 頚が痛い、頚が張る。 |
4 | |
69 日 後 |
2 頚が痛い、頚が張る。 |
4 | |
75 日 後 |
2 頚が痛い、頚が張る。 |
3 | |
83 日 後 |
2 頚が痛い、頚が張る。 |
4 |
2006年5月コンクリートジャングルな東京にもエメラルド色に青葉輝く頃「エッ もしやうつ病?」「まさか?」けれどそんな自問自答の中、私は日増しに意欲が失せ頭痛、頚痛、めまい、不眠に悩まされ溜息の連続、はては深夜目覚めると、理由もなく不安な思いに駆られそのまま朝を迎える状態が続き、思いあまって心療内科を受診。炎症止め、睡眠薬、そして僅かな先生とのカウンセリングで深夜の目覚めは減少しましたが、心身の苦痛はそのまま残り、心の中で「助けて」もがき苦しむ毎日でした。そんなある日、とある週刊誌に目が止まり、これだ!!と確信。とるものも取り敢えず東京脳神経センターの門をくぐりました。
これが松井先生との初めての出会い、そして頚のX線画像診断で「あゝ、3ヶ月かかる」の一言に主人も私も言葉を呑みました。頚性神経筋症候群、初めて耳にした病名。そして遠路四国への入院にかすかな不安と躊躇、けれど藁にも縋る思いの一心で9/5空路四国へ。翌6日は頚から上、切り捨てられるものならと思う程の激痛に苦しみつつ、私の闘病生活が始まりました。午前のホットパック、電気治療、点滴、午後の電気治療、鍼、きめ細やかな治療方針に添い頚に負担がかからないよう、私はひたすら身体を横たえ治療に励みました。東京~香川を忙しく往復しておいでの先生に週一回の診察を受ける時、30項目の問診表を提出します。「はい」「いいえ」30問中20以上あった「はい」が日を追う毎に「いいえ」に変わりゆく私の症状の変化。先生の触診、画像診断、私からの質問等々、「今週はどうかしら?」と診察日が楽しみに待たれる心境になり、頭痛もち、肩こり症とばかり思いやり過ごして来た長い年月、そしてあの5月からのうつ、頚痛、頭痛、めまいがまるで嘘の様に日々心浮きたち意欲が漲るようになりました。
心と身体どちらが先か?又、「頚性神経筋症」と「うつ」との関わりは?今、3ヶ月の闘病生活に思う事は、健康あってこそ心楽しい日々があると確信し、その意味で「頚性神経筋症」の完治こそ「うつ」状態からの解放に繋がるものと思います。
西洋医学を全うされ、その上で永い歳月この頚性神経筋の研究を重ね、未だかつてどなたも取り組まれなかった和洋双方の治療効果に自信を以て推進され、その毅然とした勇気、そして何より苦しみに日を送る人々を救う事に全力を尽くされた先生に感服致し感謝の思いで一杯です。
又、闘病中いつもやさしく素敵な笑顔で苦しむ患者の心身をそっと支え続けてくださった婦長 主任様始め、沢山の看護婦、看護士、スタッフの皆様に心からお礼申し上げます。