7年前、突然息苦しくなり呼吸困難となり、救急車で搬送された。この年の秋、産婦人科で更年期障害と診断され、2ヶ月治療を受けたが良くならなかった。1年前、不眠が出てやはり産婦人科でホルモン療法を受けたが良くならず、次に3ヶ所の内科へ行ったが症状は改善しなかった。動悸がするので2ヶ所の循環器科へも行ったが良くならなかった。頚が硬くなり、鉛の玉が入っているような感じがいつもしていた。光が眩しく、目が開けられなくなり、ふらふらして仕事もする気が起きなくなった。家の片付けも掃除も家事一切が出来なくなった。本も読めなくなった。暑いところにおれなくなり、風呂にも入れなくなった。顔が熱いのに手足は冷たくなった。
家族みんなが外へ遊びに行くときも、外に出られず自分ひとり留守番をして家で横になっていなければならなかった。ふらつきがあり、倒れはしないかと心配で、火が恐くなっていた。胃腸の症状も強く、胃が重く、腸がグルグル音がして他の人に聞こえるほどで、どうかしたのかと聞かれることがあった。人が喋っているのを聞いていても甲高い声に耐えられなくなった。体中がだるく、何も出来なく、どこの病院へ行ってもどこが悪いのか分からず、このまま一生この症状が続くのであればいっそ死んだ方が楽だと思い、2回、自分で首を絞めたのだが、死ねなかった。このように困り果てていた時、週刊誌で当院のことを知り来院した。
日付 | 頸椎部のチェック | 症状 | 合計 |
初診時 | 上記症状の他、胸部圧迫感、うつ症状、涙腺刺激症状、目が痛い、目が疲れやすい、見るものがぼやけて見える、汗が異常に出る、夜寝られない、ふらつきがあり、肩が凝って頭が痛い、など30問の問診中、26の症状があった。頚筋の異常はチェックポイント9ヶ所全部の異常があった。その後、入院までに1週間外来通院をした。 | 26 | |
入院時 | 症状は30のうち8まで激減した。頚筋の他覚的異常は4ポイントとなった。(4/9)
2 頚が痛い、頚が張る。 |
8 | |
1 週 間 後 |
症状は少し悪化し、13症状となった。(13/30)うつ症状は入院前の外来での加療で消失したままであった。以前、光が眩しく、サングラスをかけなければならなかったが、今ではサングラス無しでも眩しくなくなった。診察で頚筋の状態は軽度ではあったが、全体に異常が見られた。
1 頭が痛い、頭が重い。 |
13 | |
2 週 間 後 |
調子が良くなり体が楽になった。ふらふらも少なくなった。目の痛みも少なくなった。走れるほど元気になった。症状は不眠と、像がぼやけて見える、目が疲れる、手足が冷たい、症状が天気が悪くなる前に強くなるの5つだけとなった。他覚的な頚の筋肉の異常は1ヶ所のみとなった。
8 夜寝つきが悪い。目覚めることが多い。 |
5 | |
3 週 間 後 |
症状は6になった。(6/30)頭痛はするが、手のシビレは消失した。足が冷たいのも消失した。胃腸の調子も良くなった。
6 歩いていたり、立っている時なんとなく不安定。 |
6 | |
4 週 間 後 |
頚筋の異常は2ポイントとなった。症状は目立つものはなくなり、あるかないかの境目の症状が6出ている。
6 歩いていたり、立っている時なんとなく不安定。 |
6 | |
5 週 間 後 |
新聞が少し、読めるようになった。雨の降る前も症状が軽くなった。ふらつきは全くなくなった。症状はあるかないかの境目の症状が5つとなった。頚筋のチェックポイントは2つの異常で変わらず。
2 頚が痛い、頚が張る。 |
5 | |
6 週 間 後 |
症状、頚筋ともに変わらず。
10 暖かいところに長時間おれない。体温の調節異常。 |
5 | |
7 週 間 後 |
頚筋の異常ははっきりしたのは2ポイントで、他にあるかないかの境目の所見が2ポイントであった。症状はこれもあるかないかの境目の症状が3つとなった。
2 頚が痛い、頚が張る。 |
3 | |
8 週 間 後 |
蛍光灯の下で物を見るのにサングラスが必要であったが、全く必要なくなった。以前はベッドの中でもソックスを履かなければならなかったのが、全く必要なくなった。しかし、長い間本を読むと目が疲れる、症状は先週と変わらず。頚筋の異常は4ポイント。
14 目が疲れやすい、または痛い。 |
3 | |
10 週 間 後 |
頚筋の他覚的異常は変わらず、症状もほぼ変わらず。
13 目が見えにくい。像がぼやける。 |
4 | |
11 週 間 後 |
頚筋の他覚的異常は変わらず。(4/9)症状もほぼ変わらず。
10 暖かいところに長時間おれない。体温の調節異常。 |
4 | |
13 週 間 後 |
頚筋の異常は2ポイントとなった。(2/9)症状は、あるかないかの境目の症状、暖かいところに長くいられないが1つだけとなった。うつ症状は入院以来、完全に消失したままである。
10 暖かいところに長時間おれない。体温の調節異常。 |
1 | |
14 週 間 後 |
頚筋の異常は全くなくなった。症状はあるかないかの境目の症状が3つあった。ほぼ治癒と考えて退院とした。頚椎椎間板の突出がかなり強いため治療が長くなった。 | 0 |